都会のオアシス@浜離宮

久々に秋葉原以外の場所へ出かけてみたかった。休日に会社員M子を誘い出し、月島にもんじゃ焼きを食べに行ったが、結論、もんじゃ焼きはどこで食べても一緒だ。
そのあと汐留まで足を伸ばし、浜離宮を訪れた。

最近読んだ本で隈研吾と清野由美の対談形式であれこれ都市を考察する「新・都市論TOKYO」(集英社新書)の中に、汐留一体の再開発についても議論されていたが、休日はやはりゴーストタウンかのごとく人気がない。
ビル同士の密度とスケール感のなさで、より人が小さくみえる。あいかわらず好きになれない街のひとつだが、その汐留駅からビルを回り込むように海側に向かうと浜離宮が突然現われる。
入場料300円を払って庭園に入ると、思っていた以上の人の入りで、いかにも江戸っ子ぽい大道芸人が傘で枡を回している。この正反対のギャップに興味をそそられた。
都心ではむしろなにもかもあるビル街よりなにもないただの原っぱの方が必要なんだな。
少し中に進むとよりこの立地の奇妙さが引き立つ。

背景に屏風のように聳え立つビルと平屋の茶室、そして海水を引き込んだ池。
都市から断絶された名庭は、断絶されたからこそ対照的な平穏を与えているのかとも考える。
とにかくデベ任せの再開発が生んだ奇妙な光景に、むしろポジティブな感覚を抱いた庭園だった。
そのあと、海上バスで浅草へ。松本零士がデザインしたあの近未来船に乗りたかった。
ここはいつ来ても東京一の活気が漲る街だと思う反面、浅草寺の門前より一本入ると途端に日本橋や神田のように裏側な印象を抱く。その両極端なところがまた面白かったり。

たった5円で1分近く手を合わせたM子のがめつさは東京でも健在。
占いをひく。二人して凶。私のには「思いあぐねているばかりでちっとも行動にうつせない」、M子のには「協調性がないと失敗する」というありがたくストライクなお告げがあり、二人仲良く結んで帰る。
困ったら秋葉原に行くのは止めたいと思うが、最終的にまた行く。休日の秋葉原はいつにも増してヒット率が高い。
痛車カーネルメイド、あと最近OPENしたアキバトリム。秋葉原はこういう開発をすると面白くなくなる気がするから好ましくない。ここの魅力は荒削りさとアドリブ的未完成さであって、ピュアな商業ビルや先端技術の開発拠点とかシナリオ的なもんはミスマッチだと思う。
そんなで結局また新宿で呑んでってシナリオのない自分もよくないと思うけど。
東京言語を増やしたい。